メタボリックシンドローム症候群

診断基準や原因・治療方法を解説

メタボリックシンドロームとはメタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドロームについて

メタボリックシンドロームは偏った食生活や運動不足、睡眠不足、ストレス、喫煙などの生活習慣が原因で心臓病や脳卒中、糖尿病などになりやすい病態を指します。

糖尿病や脂質異常症、高血圧などがあると血糖や中性脂肪による血管内皮細胞の障害や、高血圧による血管壁への物理的負荷などにより動脈硬化プラークが形成されます。そのプラークが血管壁から剥がれることによって、脳梗塞や心筋梗塞などを発症することがあります。それらを予防することで生活の質(QOL)を保つことが重要です。

里村医院では日本内科学会認定の総合内科専門医が採血・頸動脈超音波検査などのデータをもとに専門的に診断いたします。ネット予約いただくと待ち時間なく診察を受けられますのでぜひご予約ください。

メタボリックシンドロームの診断基準

腹腔内脂肪蓄積
ウエスト
周囲長
男性≧85cm
女性≧90cm
(内臓脂肪面積:男女ともに≧100cm²に相当)
上記に加え
以下の
うち
2項目以上
1.高TG血症(≧150mg/dL)
and/or
低HDL-C血症(<40mg/dL)
※空腹時の測定
2.収縮期血圧↑(≧130mmHg)
and/or
拡張期血圧↑(≧85mmHg)
3.空腹時血糖↑(≧110mmg/dL)

メタボリックシンドローム診断基準検討委員会 編:日本内科学会雑誌 2005:94(4):191より改変

内臓脂肪の蓄積を基盤として、複数の心血管疾患の危険因子を合併するに至った状態を指します。危険因子が複数合併することにより、心血管疾患の発症リスクがとても増加します。
個々に対応するよりも、共通の原因を改善することが総合的なリスクを低下させることができます。

連携医療機関

40-74歳の男性のうち2人に1人、女性のうち6人に1人がメタボリックシンドローム(確定および予備軍)と言われています。

厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査の結果」より

メタボリックシンドロームになりやすい人の特徴

以下のような人がメタボリックシンドロームに
なりやすい可能性があります

  • 内臓脂肪型肥満(お腹周りに脂肪が多い)
  • 運動不足
  • 高カロリー・高脂肪の食事が多い
  • アルコールの多飲
  • 喫煙
  • 高血圧の方
  • 血糖値が高めの方
  • 脂質異常症(高脂血症)の方
  • 家族にメタボリックシンドロームの人がいる
  • ストレスが多い生活をしている

ただし、これらの因子はメタボリックシンドロームのリスク因子であり、必ずしも合併症を起こすとは限りません。
メタボリックシンドロームリスクを正確に評価するためには、医師の診察を受けることが重要です。

医師の診察を受けることが重要

メタボリックシンドロームが引き起こす主な症状・合併症

では、実際にどのような症状・合併症があるのか解説します。

糖尿病

糖尿病は、血糖値を正常にコントロールできない疾患です。長期にわたり高血糖症状を引き起こし、眼、腎、心臓などの臓器に悪影響を及ぼすことがあります。糖尿病と指摘された方は、原因や進行具合によって治療法が異なりますので、まずは内科クリニックを受診していただくことをおすすめします。

糖尿病

脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症(高脂血症)は、血中の脂質(脂肪)のバランスが偏った状態を指します。心血管疾患の危険因子となり、動脈硬化や心疾患、脳卒中などの病気を引き起こす可能性があります。

脂質異常症(高脂血症)

高血圧

高血圧は、血液が血管内を流れる際の圧力が正常より高い状態を指します。通常、高血圧は「高血圧症」と呼ばれます。

心臓や脳、腎臓などの臓器に悪影響を及ぼすことがあり、心臓発作、脳卒中、腎障害などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。

高血圧

高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症(痛風)は、高尿酸血症がきっかけで尿酸の結晶が関節内や臓器に蓄積することによって引き起こされる疾患です。痛風は関節炎を引き起こし、疼痛や腫れ(主に親指の付け根付近)によって動きが制限されるなどの症状を引き起こすことがあります。

糖尿病

メタボリックシンドロームと肥満症の違いは?

  • メタボリックシンドローム

    内臓脂肪型肥満(腹腔内の腸周囲に脂肪が過剰に蓄積する状態)に高血圧や脂質異常などが合併した状態、内臓脂肪型肥満とは、へその高さでの腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合

  • 肥満症

    肥満に該当する状態(BMIが25以上)で、その結果、肥満に起因するあるいは関連する健康障害を有する状態(BMI:体重㎏/身長m×身長m)

メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)だと、内臓脂肪から多くの種類の悪玉の生理活性物質が多量に分泌されることで、高血圧、糖尿病などが生じ心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる動脈硬化性疾患を引き起こすリスクが高くなります。

日本生活習慣予防協会HPより一部抜粋

メタボリックシンドロームの診断・検査方法

診断・検査方法
  • 血液検査

    糖尿病(血糖値やHbA1c)や脂質異常症(悪玉コレステロール:LDL)などのメタボリックシンドロームの診断項目を測定することができます。
  • 頸動脈超音波検査

    動脈硬化プラークの状態を超音波検査で確認することができます。

メタボリックシンドロームの治療法

動悸のタイプ

メタボリックシンドロームの予防や治療の基本は、肥満症と同様に生活習慣の見直しです。 規則的な生活習慣・バランスの良い食事・適度な運動に加え、不足しがちな面をサプリメントなどで 補うことで、病態の根本原因である内臓脂肪の軽減が期待できます。

1. 食事面

摂取カロリーの量の適正を知り、摂取量を減らす

1日に必要なカロリーは「年齢ごとの標準体重 × 活動量に応じたカロリー基準」で算出。 摂取量を減らし現在の体重から5~10%の体重減少を目指しましょう。

例:デスクワーク中心:25〜30kcal/kg、立ち仕事:30〜35kcal/kg

栄養バランスの取れた食事

栄養バランスの取れた食事

摂取カロリーを減らすだけでは、活動に必要な栄養素が不足し、結果的に健康問題のリスクが高めます。主食(ごはん・パン・麺類)、主菜(肉・魚・卵・大豆製品)、副菜(野菜・海藻・きのこ)をバランスを意識しながら接種しましょう。

主菜は特にイワシ・サンマなどの青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにして動脈硬化を予防する効果が期待でき、記憶能力の向上や抗アレルギー作用が、認知症予防にも良いとされている不飽和脂肪酸の一種です。

DHAとEPAが含まれる青魚

現代人の食生活はDHAの摂取が不足傾向にあるため、DHAを多く含む魚を意識して摂取しましょう。

また間食を控え、低栄養・高カロリーな食品を避けることで、総合的な栄養バランスを保つことができます。無理のない範囲で健康的な食生活を習慣化しましょう。

食事のタイミングと習慣

1日3回、同じ時間に摂り、規則正しい習慣づくりを心がけましょう。

また食事は毎回30分以上を目安にし、ゆっくり噛んで食べることで、メタボリックシンドローム発症リスクを減らすことが出来ます。

規則正しい習慣づくり

参照元1:Zelig R, et al. Tooth loss and nutritional status in older adults: a systematic review and meta-analysis. JDR Clinical & Translational Research 2022; 7:4-15.

参照元2:Motokawa K, et al. Relationship between chewing ability and nutritional status in Japanese older adults: a cross-sectional study. Int J Environ Res Public Health 2021; 18:1216.

里村医院は、内科医院としては珍しく、患者様の運動や食事管理といった『セルフケア』のサポートのための国家資格をもった管理栄養士が「栄養カウンセリング」を実施しています。

ご自身だけでなく、ご家族様の栄養バランスや食生活などでお困りごとや聞きたいことがありましたら院内スタッフにお声掛けください。

管理栄養士

2.生活面

生活面

禁煙と飲酒のコントロール

禁煙は動脈硬化のリスクを減少させ、メタボリックシンドローム予防に有効です。

「健康日本21」による適量飲酒基準は純アルコールで1日約20g(ビール500ml相当)とされており、過度の飲酒は控えましょう。

ストレス管理と睡眠の質向上

睡眠不足は肥満の原因となるため、十分な睡眠(7時間以上)を確保しましょう。 日中に適度な活動を取り入れ、夜はリラックスできる環境を意識的に整え生活の質(QOL)を保つことが重要です。

日常の活動量を増やす

車中心の生活の方は特に、できるだけ階段を使う、徒歩で移動するなど、生活の中での運動量を増やしましょう。

3.運動面

筋力トレーニングの併用

有酸素運動

10分以上の早歩き、ジョギング、水泳、エアロビクスが有効です。長期的に続けられる無理のない運動を心がけましょう。

筋力トレーニングの併用

無酸素運動(スクワット・腕立て伏せ)を取り入れ、基礎代謝を向上。

週2~3回、適度な負荷で実施。

運動の習慣化

まずは1日10分のウォーキングから始め、運動後の爽快感を意識し、徐々に時間・強度を増やすところから始めましょう。

4. 薬物療法(治療薬+サプリメント)

医師の指導のもと治療薬を選択

薬物療法を行い血糖コントロールを行ったり、悪玉コレステロールの正常化を行います。 また高血圧による血管壁の物理的負荷を改善する目的で降圧薬も投与していきます。

里村医院の治療法

里村医院では管理栄養士が在籍しているので、適切な栄養指導を行うことが出来ます。 投薬治療だけではなく、栄養指導も受けることによって、生活習慣病の発症や悪化を未然に防ぐことが可能になります。

さいたま市北区大宮のかかりつけ内科として、皆様の健康寿命を延ばすためにも、メタボリックシンドロームや生活習慣病と診断された方の窓口になります。メタボリックシンドロームと指摘された方、もしかしたらメタボリックシンドロームかもと気になっている方は下記より外来の予約をお願いいたします。待ち時間少なく診療いたします。

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