家族が認知症かも…と思ったら【受診を促す声かけのコツ】
皆様、こんにちは、里村医院 里村 元です。
本日のブログは認知症が疑われる患者様が受診を拒否しているときの対応についてです。
認知症のご家族は認知症を疑い、専門の医療機関で精密検査をして欲しい。
けど本人は「自分は認知症なんかじゃない!
どこも悪くないのに病院に行く必要なんてない!」
と言ってこちらの提案を受け入れてくれない、、、。
という悩みを頂くことがあります。
そのような場合にどのような声掛けをして受診に繋げていくのがいいのでしょうか?
その答えは、「認知症者の気持ち」を考えることが大事です。
認知症者はどんどんものを忘れることに不安や恐怖を感じています。
「自分はどうなっているのか」「自分はこの先どうなるのか」を心の中で考えています。
そして多くの方が認知症になったら
「人生終わりだ」「恥ずかしい」などと考えています。
「人生終わりだ」「恥ずかしい」→
病院に行って診断されたらそれが確定してしまう→病院に行きたくない→
病院に行く必要なんてない!と強く言えば周りも信じてくれる
という発想が働いています。
この発想を理解することが病院受診を拒否する人を病院受診してもらえるようになるのに重要です。
受診につなげるコツ【こんなことを言われたら】
認知症になったら「人生終わりだ」「恥ずかしい」
認知症に対する偏見が原因です。
(アルツハイマー型)認知症は脳内にアミロイドβというタンパク質のごみが
蓄積することが原因で、40歳くらいから蓄積しはじめ、
年齢とともに蓄積し80~90歳では60%、95歳では80%蓄積しています。
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認知症は年を重ねれば
「誰しもがなる可能性のある病気」なのです。
認知症になっても、残された機能でいかに幸せに暮らせるかを
考えたほうがよいし、そのためには早めから病院に受診し、
治療を受けることが重要なのです。
この事実を伝えてあげることが大事だと思います。
声掛けの例
認知症は年をとれば誰しもがなる病気だよ。
認知症だとしても決して恥ずかしいことじゃないんだよ。
認知症と診断されても進行を遅らせる薬もあるし早い段階で治療を受ければ
今できることを長くできる可能性があるみたいだから専門の先生に診てもらおう。
どこも悪くないのに病院に行く必要なんてない!
どこも悪くないのに病院に行かない!という理由は認知症の人はよく言います。
認知症と診断されてしまうことで、自分のプライドが傷ついてしまいます。
そのプライドを傷つけないようにするために、
どこも悪くないのを調べてもらう
「脳の健康診断」を受けに行こうというとスムーズにいく場合があります。
健康診断で異常がなければ安心できます。
プライドを傷つけずに安心感を与えてあげることが大事です。
声掛けの例
体の健康診断と一緒に脳の健康診断も受けよう。
脳も体も健康でいるためには両方調べてもらうことが大事だよ。
上記2つの声かけの例を示してみました。
一度試してみてはいかがでしょうか。
里村医院 院長 里村 元