認知症が発症・進行しやすいタイミングと対策について
皆様、こんにちは。里村医院 里村 元です。
本日のブログは認知症が発症しやすいタイミングについての話です。
認知症の症状として、もの忘れ以外にも「理解力の障害」というものがあります。
その「理解力の障害」に加えて「環境の変化」が起こると
認知症が発症しやすくなると考えられています。
理解力の障害 + 環境の変化 ➡ 認知症発症
「環境の変化」として、例えば
- 転倒・骨折したことによって入院し退院後(入院中から)に
もの忘れが増えた - 長年連れ添った夫(妻)が他界してから、もの忘れが増えた
- 子供宅の近くに転居してからもの忘れが増えた
このような「環境の変化」があると、理解することが苦手になってきているため、
不安になり混乱し冷静な判断ができなくなり、周囲に何回も確認するなどの症状が出てきます。
そうすると周囲からは心配されたり叱責されたりすることが増え自信を無くしてきます。
それが重なると他人との接触をさけるようになりさらに刺激がなくなり
もの忘れが進むという悪循環に陥ることになります。
「理解力の障害」+「環境の変化」がもたらす悪循環
不安・混乱 → 冷静な判断ができなくなる → 周囲に何回も確認 → 叱責される → 本人自信を無くす → 他人と接触が減る → 刺激がなくなる ➡ もの忘れ進行(認知症発症)
対策として、認知症になると「理解力の障害」が出ることを周囲が理解してあげ、
なるべく「環境の変化」を作らせないことが重要です。
- 転倒しないように普段から運動を勧める
- 転倒しても骨折しないように骨密度を保つ(内服や運動での管理が必要)
- 夫(妻)が他界しても、周囲がサポートし悲しみを減らすように工夫する
- 転居しても、今まで住んでいた時に使用していたもの(写真や時計など)をそのまま使用する(部屋のレイアウトを変えないようにする)
などが大事になってきます。
認知症は少しずつですが進行するものです。
それを理解して周囲が「環境の変化」を少なくする工夫を取っていくことが必要です。
里村医院 院長 里村 元