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甲状腺疾患の検査について

TFTs

甲状腺疾患の診断には、主に血液検査と超音波(エコー)検査が用いられます。いずれも体への負担が少なく、外来で受けていただける検査です。

これらの検査によって、甲状腺ホルモンの過不足(機能の異常)と、しこりの有無・性状(形の異常)の両方を調べることができます。症状がない方でも、健診でTSHの異常を指摘された場合や、気になるしこりがある場合は、早めに検査を受けることをお勧めします。

甲状腺疾患の検査について

甲状腺疾患

1.血液検査

甲状腺の状態を調べる最も基本的な検査です。採血のみで行えます。

ホルモン値の測定(TSH・FT4・FT3)

甲状腺ホルモン(FT4・FT3)と、それを調節する脳からの命令物質「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」の量を測定します。この2つの関係から、機能の過不足を判断します。

状態 TSH FT4・FT3
甲状腺機能亢進症
(バセドウ病など)
著しく低い 高い
甲状腺機能低下症
(橋本病など)
高い 低い
潜在性甲状腺機能低下症 高い 正常範囲内
潜在性甲状腺機能低下症とは、自覚症状はなくてもTSHだけが高い状態です。症状がなくても治療の適応となる場合(妊娠希望中など)があります。

自己抗体検査

甲状腺疾患の多くは、免疫が自分の甲状腺を誤って攻撃する自己免疫疾患です。血液中に以下の抗体が存在するかを確認することで、病名の診断を確定します。

抗体の種類 関連する疾患
TRAb(TSH受容体抗体) バセドウ病の診断・活動性の指標
抗TPO抗体 橋本病の診断・産後甲状腺炎のリスク評価
抗サイログロブリン抗体 橋本病の診断

腫瘍マーカー

特定のがんが疑われる場合に追加します。髄様がんが疑われる場合はカルシトニン・CEAなどを測定します。

甲状腺疾患

2.超音波(エコー)検査

首に検査機器を当てるだけの、痛みも放射線被ばくもない検査です。所要時間は10〜15分程度です。

検査ポイント

  • 局所麻酔を使用する場合もあり、痛みは最小限に抑えられます
  • 所要時間は15〜30分程度です
  • 甲状腺乳頭がんは、この検査で高い精度で診断できます

しこりが見つかった場合

しこりが見つかった場合、以下の点を詳しく観察して良性・悪性の可能性を判断します。

  • 大きさと形(境界が明確かどうか)
  • 内部の性状(充実性・嚢胞性・混合性)
  • 石灰化の有無
  • 周囲組織への広がりの有無

checkpoint

超音波検査の所見だけで最終的に良性・悪性を確定することはできません。悪性が疑われる場合は、より詳しい検査(細胞診など)が必要です。

専門機関で行うもの

その他の検査

3.穿刺吸引細胞診
(針で細胞を採る検査)

超音波検査でしこりが見つかり、悪性の可能性が否定できない場合に行われる検査です。超音波で位置を確認しながら細い針をしこりに刺し、細胞を吸い取って顕微鏡で調べます。

  • 局所麻酔を使用する場合もあり、痛みは最小限に抑えられます
  • 所要時間は15〜30分程度です
  • 甲状腺乳頭がんは、この検査で高い精度で診断できます

濾胞性腫瘍について

しこりの種類によっては、細胞診だけでは良性か悪性かを判断できない場合があります(濾胞性腫瘍)。その場合は、手術で組織を取り出して詳しく調べることで最終診断を行います。

当院では穿刺吸引細胞診・遺伝子検査は実施していません。検査の結果、より詳しい評価が必要と判断した場合は、甲状腺専門の高度医療機関(専門病院・大学病院など)へ速やかにご紹介します。

4.放射性ヨウ素(RI)検査

甲状腺がヨウ素を取り込む性質を利用した検査です。がんが他の臓器に転移していないかを調べたり、術後の再発予防治療(放射性ヨウ素治療)として使われます。非常に専門性の高い検査・治療であり、専門医療機関で行います。

なお、妊娠中・授乳中は絶対に行えない検査です。

5.CT・MRI検査

がんの進行度(リンパ節転移・周囲への広がり)を評価する際に用います。妊娠中は原則として避けます。

以下のようなお悩みがある方へ

検査を受けることをお勧めします

  • 首にしこりがある、または太くなったと感じる
  • 声がかすれる(風邪でもないのに)
  • 強い疲れ・むくみ・寒がり・体重増加が続く
  • 動悸・多汗・手のふるえ・体重減少が続く
  • 健診でTSHや抗体の異常を指摘された
  • 家族に甲状腺疾患の方がいる
  • 不妊治療中・妊娠を希望している
  • 過去に首の周りへの放射線治療を受けたことがある

甲状腺疾患

検査後の流れ

検査結果 次のステップ
機能異常(TSH・FT4の異常) ホルモン値・抗体検査の追加、治療方針の検討
しこりあり・良性の可能性が高い 定期的な超音波検査による経過観察
しこりあり・悪性の可能性が否定できない 穿刺吸引細胞診せんしきゅういんさいぼうしん(または専門機関へ紹介)
悪性と診断 専門医療機関へ紹介、治療後のフォローは当院でも対応

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甲状腺疾患の多くは、早期に発見・治療を始めることで症状の改善や悪化の防止が期待できます。「このくらいで受診してもいいのかな」とためらわず、気になった時点でご相談ください。


出典:一般社団法人 日本内分泌外科学会 甲状腺腫瘍診療ガイドライン2024より
https://jaes.umin.jp/info/guidelines_guideline2024.html

さいたま大宮糖尿病相談室

当院での診療について

  • 予約優先制
    待ち時間を
    最小限に

  • 最短当日に
    結果が出る
    検査体制

  • 管理栄養士
    による
    栄養相談

  • 合併症
    フォロー
    まで
    一貫対応

当院では血液検査・超音波検査を院内で行い、甲状腺機能のスクリーニングから機能異常の診断・経過観察まで対応しています。穿刺吸引細胞診・遺伝子検査・放射線を使った検査・手術が必要な場合は、専門の高度医療機関へ責任を持ってご紹介します。紹介先での治療が終わった後の経過観察・体調管理は、引き続き当院でサポートします。

予防は治療に勝るという理念のもと、「少し気になるけれど大丈夫だろう」と思わず、気づいたその時点でご相談ください。スタッフ一同、丁寧な診察でお迎えします。

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