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甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

Graves' disease

甲状腺機能亢進症こうじょうせんきのうこうしんしょうとは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、全身の代謝が異常に活発になる病気です。その代表的な原因がバセドウ病(Graves病)です。

バセドウ病は自己免疫疾患の一つで、本来は外敵から体を守る免疫が誤って甲状腺を刺激し続けてしまうことで、ホルモンが過剰に作られます。20〜40代の女性に多く見られ、男性と比べて3〜4倍発症しやすいことが知られていますが、年齢・性別を問わず発症します

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)とは

甲状腺機能亢進症

主な症状

甲状腺ホルモンが増えすぎると、体が常にフル稼働の状態になります。症状は多岐にわたり、複数が同時に現れることが多いのが特徴です。

症状例

  • 食欲はあるのに体重が減る
  • 強い疲れやすさ、体力低下
  • 多汗、暑がり
  • 手のふるえ
  • 動悸、脈が速い(頻脈)
  • 息切れ
  • イライラ、情緒不安定
  • 不眠、集中力の低下
  • 下痢、便の回数が増える

これらの症状に加え、バセドウ病にみられる特徴的な症状として、
以下が挙げられます。

  • 首元の症状
    首が太くなる、のどが出っ張る
  • 目の症状
    目が大きく見える、目が飛び出す、目の充血・違和感
    バセドウ病に特有の症状で、甲状腺の治療とは別に管理が必要なことがあります
  • すねの前面の皮膚が盛り上がる
    前脛骨粘液水腫ぜんけいこつねんえきすいしゅ
    比較的まれですが特徴的な症状です。

checkpoint

これらの症状は不安障害・心疾患・更年期障害などと混同されやすく、受診まで時間がかかることがあります。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の

診断・検査

血液検査

血液検査によって、甲状腺ホルモンが今どのような状態にあるかを詳しく調べます。特にTRAbはバセドウ病の原因となる自己抗体で、これが陽性であることが診断の根拠となります。

検査項目 バセドウ病での典型的な結果
TSH(甲状腺刺激ホルモン) 著しく低い
FT4・FT3(甲状腺ホルモン 高い
TRAb(TSH受容体抗体) 陽性

超音波(エコー)検査

甲状腺の大きさ・血流・内部の状態を確認します。バセドウ病では甲状腺全体が腫大し、血流が著しく増加しているのが特徴のため、しこり(結節)の有無も同時に確認します。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)とは

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の

治療法

バセドウ病の治療には、抗甲状腺薬放射性ヨウ素(アイソトープ)治療手術の3つの選択肢があります。年齢・病状の重さ・甲状腺の大きさ・妊娠の希望などを踏まえて、最適な方法を選択します。

1.抗甲状腺薬(内服治療)

甲状腺ホルモンが作られるのを抑える飲み薬(チアマゾールなど)です。日本では最初に選ばれることが多い治療法で、数週間〜数ヶ月で症状が改善します。

  • 服用を続けている間は効果が持続しますが、自己判断での中断は症状の再燃につながります
  • 定期的な血液検査で用量を調整します
  • まれに白血球減少・肝機能障害などの副作用が出ることがあります。発熱・咽頭痛・黄疸が現れたら速やかに受診してください
  • 長期寛解率は50〜60%程度で、中止後に再発するケースもあります

長期寛解率とは

病気の症状が落ち着いた状態(寛解)を、数年など長期間維持できている人の割合のことです。完治とは異なり症状が出ていない状態を指し、治療がどれだけ長く効くかを表す重要な指標です。

2.放射性ヨウ素
(アイソトープ)治療

放射性ヨウ素を含むカプセルを内服し、甲状腺の細胞を減らすことでホルモン分泌を抑えます。外科手術を避けたい方や薬での治療が難しい場合に選択されます。

  • 治療後に甲状腺機能低下症になることがあり、その場合はホルモン補充が必要です
  • 妊娠中・授乳中の方には使用できません
  • 眼症がある場合は慎重に適応を検討する必要があります

3.手術(甲状腺切除術)

甲状腺の大部分を切除する手術です。甲状腺が大きくなっている場合・薬の副作用が強い場合・がんが疑われる場合などに選択されます。

  • 根治が期待できる治療法ですが、全身麻酔・入院が必要です
  • 術後に甲状腺機能低下症になることがあります
  • 反回神経・副甲状腺への影響がまれに起こることがあります

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)を

放置するとどうなる?

症状が徐々にしか現れないため「まあ大丈夫だろう」と適切なホルモンの補充を行わないまま放置すると、長期間にわたる甲状腺ホルモン不足は全身に影響を及ぼします。

  • 日常生活への影響
    動悸・不眠・体重減少・情緒不安定が続き、生活の質が著しく低下します。
  • 心疾患のリスク
    不整脈(特に心房細動しんぼうさいどう)のリスクが高まり、長期化すると心不全につながることがあります。
  • 骨への影響
    甲状腺ホルモンの過剰な状態が続くと、骨密度が低下し骨粗鬆症のリスクが上がります。
  • 甲状腺クリーゼ(緊急事態)
    感染・手術・強いストレスなどをきっかけに、甲状腺ホルモンが急激に大量放出される状態です。高熱・激しい動悸・意識障害が現れ、命に関わる重篤な合併症です。治療中でも体調急変時には速やかな受診が必要です。

出典:一般社団法人 日本内分泌外科学会 甲状腺腫瘍診療ガイドライン2024より
https://jaes.umin.jp/info/guidelines_guideline2024.html

さいたま大宮糖尿病相談室

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  • 合併症
    フォロー
    まで
    一貫対応

当院では血液検査・超音波検査によるバセドウ病の診断から、治療方針の選択・薬物療法などに対応しています。状態が悪いと判断したりより精密な検査が必要だと判断した場合、近隣の専門医療機関にご紹介させていただくことがあります。

たとえ今はっきりした症状がなくても、健康診断などのタイミングで定期的に甲状腺の検査を受けておくことが勧められます。動悸・体重減少・手のふるえなど気になる症状がある方、健診で甲状腺の異常を指摘された方はお気軽にご相談ください。

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