infectious
風邪が長引く・傷が治らない症状は
糖尿病の初期サインかもしれません。もし、以下の症状に心当たりがあるなら、それは単なる「疲れ」や「体質」ではありません。免疫力が低下している危険なサインです。
糖尿病の症状といえばのどが渇く・尿が増えるなどが有名ですが、実はそれよりも前に現れやすいのが、こうした感染症への弱さです。 血糖値が高い状態が続くと、体内に入ったウイルスや細菌と戦うはずの白血球の働きが弱まってしまいます。つまり、体の防御システムが機能不全に陥っている状態です。
皮膚科で塗り薬をもらったり、内科で風邪薬を飲んだりすれば、一時的には良くなるかもしれません。しかし、大元の原因である高血糖を治療しなければ、免疫力は低いままです。そのため、何度でも同じ症状を繰り返し、徐々に悪化してしまいます。
最近、なんだか体の調子が戻らないなと感じたら、皮膚科や一般内科だけでなく、一度血糖値の検査を受けてみてください。それが、長引く不調を断ち切る一番の近道です。

高血糖が免疫力を下げる
薬が効きにくい?感染症が長引く3つの理由血液の中に余分な糖が溢れていると、体は以下の3つの悪条件が重なった状態になります。

体内にウイルスや細菌が侵入すると、白血球がすぐに駆けつけて退治します。しかし、高血糖の状態はこの白血球の動きを鈍らせてしまいます。敵を察知する能力や、捕まえた菌を分解するパワーが落ちるため、本来の防衛機能が十分に働かなくなります。

細菌と戦うには酸素や栄養が必要であり、処方された抗生物質も血液によって運ばれます。しかし、血糖値が高いと血管がダメージを受けて血流が滞り、感染部位まで必要な成分が届きにくくなります。いわば道路が通行止めの状態で、薬の効果が現場に伝わりにくいのが現状です。

多くの細菌やカビは、糖分を栄養源にして増殖します。血糖値が高い状態の体は、細菌にとって栄養が豊富な繁殖しやすい環境です。白血球の攻撃力が落ちている一方で、細菌側にはエサがたっぷりとあるため、感染があっという間に広がってしまいます。
これら3つの要因が同時に起こるため、糖尿病の方は風邪が肺炎に進行したり、小さな傷が壊疽(えそ)になるといった重症化のリスクが常にあります。 感染症を治すためには、抗生物質を使うだけでなく、血糖値を下げて白血球を働ける状態に戻すことが何よりの治療になります。
糖尿病で特に注意すべき
4つの感染症糖尿病の方に多く見られ、かつ重症化しやすい感染症には明確な特徴があります。 「ただの風邪」「いつもの水虫」と軽く見ず、以下の症状には十分な警戒が必要です。
共通しているのは治りにくく、繰り返すということです。その場の薬で一時的に症状を抑えても、大元の原因である高血糖を改善しない限り、何度でも再発します。長引くなと感じたら、感染症の治療と並行して、必ず血糖値の検査を受けてください。
ただの風邪が命取りになることも
感染症と高血糖の悪循環糖尿病の方にとって最も恐ろしいのは、感染症と高血糖がお互いを悪化させ合う、負の連鎖です。風邪や膀胱炎などのありふれた病気がきっかけで、血糖値のコントロールが急激に乱れ、最悪の場合は意識を失う危険性さえあります。
感染症にかかる
体が戦闘態勢に入る
副作用で血糖値が急上昇する
免疫力がさらに低下し、菌が増殖する
インスリンが効かなくなる
ただの風邪だから、そのうち治るだろう。 そう思って市販薬を飲んで寝ていても、なかなか治らなかったり、すぐにぶり返したりする場合は、すでにこの悪循環に陥っている可能性があります。
この状態まで進んでいると、体の自然治癒力や市販薬だけで治すことは困難です。 根本原因である乱れた血糖値を医療機関で整えない限り、免疫力は戻りません。 特に、以前より疲れやすくなった、急に体重が減ったなどの変化を感じている場合は、糖尿病が隠れている可能性が極めて高いため、一刻も早い受診をおすすめします。
今日からできる
感染予防と日常生活の4つの工夫お風呂上がりの清潔な状態で、足の指の間や裏に傷、水虫、ひび割れがないかを目で見て確認する習慣をつけてください。 神経障害があると痛みを感じにくいため、気づかないうちに傷が悪化しがちです。小さな傷が命取りになるのを防ぐため、自分の目で異常を見つけることが大切です。
歯磨きを丁寧に行うだけでなく、定期的に歯科検診を受けてください。 口の中の歯周病菌を減らすことは、全身の炎症を抑え、結果として血糖コントロールを改善することに直結します。歯科治療も糖尿病治療の一つと考えて取り組みましょう。
インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンは、感染そのものを防ぐだけでなく、万が一かかってしまった場合の重症化リスクを大幅に下げてくれます。糖尿病の方は健康な人よりもリスクが高いため、優先的な接種が強く推奨されています。
体を清潔に保つことや、十分な睡眠を取ることは基本中の基本です。 食事においては、偏りを避けて血糖値を急に上げない食べ方を意識することで、体への負担を減らせます。また、無理のない範囲で軽い運動を続けることも体力の維持につながり、感染しにくい体へと近づきます。 こうした地道な積み重ねが、免疫の働きを底上げしてくれます。
免疫力が低下している状態では、日々の生活で菌を入れない、そして異常を早期に発見するという守りの姿勢が重要になります。 難しいことではなく、当たり前のことを丁寧に続けることが、あなたの体を守る最強の盾になります。
長引く不調を断ち切る
免疫力本来の強さを取り戻すにはどれだけ薬で感染症を治しても、大元の免疫力が弱っていては、またすぐに再発してしまいます。感染に強い体を取り戻すための唯一の方法、それは血糖コントロールを改善することです。
薬物療法や生活習慣の見直しによって血糖値が安定し、過去1〜2ヶ月の平均血糖値を示すHbA1cが低下すれば、体は劇的に変化します。高血糖によって動きが鈍くなっていた白血球が、本来の働きを取り戻し、ウイルスや細菌と正常に戦えるようになるのです。免疫機能は、血糖値が改善されれば、必ず正常に戻ります。
最近、体の調子が悪い、風邪薬を飲んでもすっきり治らない。もしそう感じているなら、それは感染症の治療だけでなく、血糖値の治療が必要なサインです。

こうした体の変化は、早い段階で血糖コントロールを始めるほど、改善を実感しやすくなります。感染症の治療と並行して、必ず血糖値の検査を受けてください。あなたの体を守る力は、あなた自身の治療によって取り戻すことができます。
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予防は治療に勝るという理念のもと、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせ、糖尿病とともに“健やかに生きる”ための診療を提供しています。 糖尿病は静かに進行しますが、早期に治療を始めれば合併症を防ぐことができる病気です。「少し気になるけれど大丈夫だろう」と思わず、気づいたその時点で検査を受けることが大切です。

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